日本語レベル上級の生徒さんと話をすると、面白い話がいっぱいです。
日本語の中には、正確に意味を知らないで使うと面倒なことになる言葉がけっこうあります。今日はその中から一つ。
「計算高い」
「計算」と「高い」という、比較的簡単な日本語が2つくっついてできています。
日本語が母語の方は、調べなくてもこれがどんな意味かわかります。利害や損得にウルサイ人なんかを表す時に使います。
ですが先日わたしの生徒さんはこれを字面から「計算能力が高い人」と思い、日本人の取引先の方に「(あなたは)計算高い方ですね」と言ってしまったそうです。みるみるうちに相手の顔が不愉快そうになり「あ、やってもうた~!」と思ったそうですが、何が間違っているかわからない。辞書で調べたけどますますわからない。こっそりメールで「きんぎょ、計算高い人って悪い意味?」と質問すると返事はまさかの「はい」。
生徒さんからは「😓 やってしまいました」と返事がきました。続けて私が簡単に意味を連絡すると「すぐ謝ってきますー!」とのことでした。
語学学習は恥をかいたり失敗したりの連続です。特にレベルが上がると、悪意は全くないけど失礼なことをやってしまうこともしばしばです。
また、辞書で調べたとしても生徒さんの文化によっては認識の仕方が異なることがあります。この生徒さんはわたしにメールする前に「計算高い」の意味を検索したら「損得や利害に敏い」みたいな意味が書かれていたそうです。この生徒さんの文化圏ではこれは褒められることはあっても、悪いこととは言われないのでますます混乱したそうです。
「ああ、またやっちゃった。。。」と落ち込む生徒さんを励ましつつ、今日もレッスンをしています。