会話が中心のレッスンの場合、当たり前ですが会話が中心になります。
一人の生徒さんと長くレッスンをしていると必ず起きるのが「ネタ切れ」です。まったくこちらがトークのネタを考える必要がない生徒さんも数人いますが、たいていの生徒さんはある程度こちらでネタをふります。
旅行、好きな食べ物、日本の文化、思い出なんかを一通り話すと、新しいネタは少なくなります。あと、レッスンなのでとにかく話してもらわないといけないので、生徒さんが話せるようなネタをまめに探すようにしています。
ただレベルが高い生徒さんの場合、生徒さんの練習になるレベルの会話、となるとかなり大変です。一人の生徒さんと100回以上レッスンをしている場合もあります。気がつくと毎回同じようなネタ、同じような流れになっていることもあるので気をつけています。
今日はJLPT N1ホルダーで、日本で働く生徒さんと「遠回しな表現」について話しました。例えば嘔吐下痢で会社を休みたいとき、どんな表現をする?と聞いたところ、生徒さんがちょっとムッとしていました。「嘔吐下痢ではいけませんか?日本以外じゃあそんなに遠回しにいいませんよ。そもそも有休は社員の権利です」とのこと。この意見を日本語で言えるのがすごいですね!JLPTのN1ホルダーになると、愛読書が日経新聞と松本清張(ドラマの影響大です)なんていう人もいます。
N1なんて不要だ!という生徒さんもいますが、やはりN1合格レベルの生徒さんだと語彙も表現も格段に豊かになります。
まず、嘔吐下痢という表現でも問題はないことを伝えます。今回のトピックスはあなたが遠回しな表現についてどう思うかを通して話しをしたいだけで、遠回しな表現の習得が目標ではないから、今みたいにあなたの考えや感じたことをどんどん話してね、と伝えます。
「特に病院なんかだと正確に伝えるために、遠回しな表現を使わないほうが良いよね」という話になりました。そこから遠回しな表現の賛否、使うべき状況、なぜ日本人は遠回しな表現で伝えたいと思うのか、などについて生徒さんに意見を話してもらいました。
ときどき生徒さんが疑問に思うこと、納得できないことについて話すのも、日本語の練習という意味では非常に価値があるかと思います。生徒さんによってはディベート形式で自分の意見と反することについて話してもらうこともあります。
ただ、これは生徒さんによっては不愉快に思う方もいます。ディベートの経験がない方や、意見を言うのが苦手な方には向かないので、一般的なネタがすでに尽きた、一部の生徒さんを対象にやっています。一度やってみて、うまく行かなかった生徒さんも対象外となります。