めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その177〉フリートークって意味あるの? (italki)

 「フリートークって、意味ないと思う?」

 ある生徒さんがレッスン中に私に質問しました。うーん、私、このフリートークのレッスンで稼いでるから、意味ないとは言えません。 ^^;  

この生徒さんは日本語以外にも語学学習歴が長い方で、ときどきこういう質問をします。そして私は知っています、この方がこういう質問をする時はだいたい煮詰まったときや、停滞期に入ったときです。でも確かに聞いたことがあります。日本人向けの英語の学習サイトなんかでも、フリートークは賛否が分かれるところみたいですね。フリートークでは語学は成長しないのか?

  私は言語学の専門家ではないのでわかりませんが、どんなことでも続ければ成果はあると思います。ただ語学学習の目的や目標によっては、フリートークは向かない場合があると思います。たとえばTOEICのような試験に向けて勉強したい人が、フリートークに力を入れても思うような成果は出ないと思います。また論文のような専門性の高い文章を読むために外国語を勉強するなら、フリートークよりはリーディングなどに力を入れたほうがいいでしょうし。

 フリートークのレッスンの良いところの一つは「会話の実践練習ができること」だとおもいます。友達同士の間柄だといいにくいような注意や面倒な指摘も、お金を払った先生ならズバズバ言ってくれます。特に日本語の場合は、ある程度のレベルに来たらフリートークの練習は必須だと思います。なぜかというと、特に日本語は実践練習やトライアンドエラーをしっかりしておかないと、実践の場では失敗しても誰も注意してくれないからです。

 というあたりまで書いていたら、偶然ですが、日本の企業に就職したばかりの、とある生徒さんとフリートークの必要性について話す機会がありました。

 この生徒さんはJLPTのN1を取得済みで、一般的なレッスンでの会話はそれほど問題ありません。辞書を調べてもわからない日本語はしっかり先生に質問して教えてもらう努力家です。半べそかいている生徒さんによくよく事情を聞くと、レッスンの先生とは話せるけど、会社の同僚である日本語母語話者との会話がうまくいっていないということです。

 よく「会話はキャッチボールだ」なんて言いますが、ほんとうにその通りで、受け止められないものは適切に投げることができません。レッスンの先生は、練習のために話すので、ある程度生徒さんに配慮した話し方をします。ですからキャッチボールが用意です。でも会社の同僚はそんなことしてくれません。通じない、と判断すれば、それ以上の努力はしてくれない場合が多いので、キャッチボールは成立しません。

  いろいろ話した結果、この生徒さんと「会話できるようになるぞ!プロジェクト」を発足することになりました(笑)自宅での学習とオンラインレッスンを併用して練習します。自宅では「あかね的日本語教室」のあかね先生のLIVE動画を見て(聞いて)勉強します。(<その159>をご参照ください)。あかね先生のLIVE動画は、外国人向けに比較的ゆっくり、わかりやすい発音で、日常会話に近い形で話しているので、会話中級者のリスニング&会話訓練にも愛用しています。先生のLIVE動画が大体8〜9割聞き取れることを目指します。あと、動画の中で先生が視聴者に向けて沢山質問するので、それにliveで返事をするという練習をしてもらいます。エアー会話で、パッと言われて、パッと返事をする練習をするわけです。これは宿題ですが、あくまでも私からの提案なので、好きなときに好きなだけしてくれたらいいので、回数などのチェックはしません。オンラインのレッスンでは、少し短い表現や、会社で出てくるトピックスをテーマに話をします。

 ・・・どうか皆さん、引かないでくださいね、私のあかね先生動画の愛用っぷりに。。。(-_-;) なぜ私が愛用しているか?それは動画が高品質なことや、先生の指導が素晴らしいこともありますが、それ以外の理由の一つに、先生ご自身が外国語が堪能なことがあります。あかね先生は中国語が堪能なのですが、このことは生徒さん、特に中国語圏の生徒さんにはかなり強いインパクトがあります。先生ご自身が深く外国語学習をしたことがある証でもあるので、同じ外国語学習者としても敬意と信頼を得ることができます。日本語教師に外国語能力が必須ではありませんが、やはり高いレベルの外国語能力があるというのは、生徒さんには理屈抜きで強いインパクトがあることを感じます。

 私はプロの先生ではないので、どういう方法が正解なのかは正直なところわかりませんが、フリートークは意味があるレッスンだと信じています。なぜなら、日本語に限らず、外国語のレベルが上ったら、必ず必要になるのがフリートークのちからだからです。