めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その176〉就職活動と生徒さん (italki)

 就職試験真っ只中の生徒さんからはよく「きんぎょ、今から時間取れませんか?」といった急な予約がよく入ります。私のitalki のカレンダーはわりとスカスカですが、それでも収入になるのはこの緊急予約のおかげです。といいますか、最近は直近での予約が多いので、わざと少しゆとりを持ってカレンダーを開けています。

 ですので私は italki の「招待状」というシステムをよく利用します。相当使ってます(笑)生徒さんに「きんぎょほど招待状使いまくる先生見たこと無い」と言われました。メールでの対応分の支払いやら、料金を変更したレッスン代など、色んな支払いのために利用しています。

 就職試験では、エージェントや会社の人事担当者とのやりとりが必須です。これまで付き合いのあった日本語母語話者とは使うことのなかった日本語を話さないといけません。メールひとつでも、難解な日本語が並びます。就職試験対策で生まれて初めて敬語、尊敬語、謙譲語など暗号のような日本語とぶつかってしまった生徒さんもいます。特に本気で合格したい就職先とのやりとりは、一文字も間違いたくないので、短いメールのひとつまで確認してほしい、という依頼がちょこちょこあります。

 生徒さんの就職戦線を見ていて気がついたのは、日本の会社に就職するということは、ある意味で「コテコテの日本社会にぶつかる」ということなんだなということです。これまで夢見ていた日本とは違う、カルチャーショックだらけの日本を見ることになります。

 母国では見たことない手書きの履歴書に卒倒しそうになったり、志望動機を聞かれてホンネでしゃべって人事担当者が真っ青になったり、頑張って取得した学位を全く評価してもらえなかったり。理解できなかったことをあれこれ質問してくれるので、それに一つづつ返答していきます。

 そういえば、生徒さんから「日本語の『社会人』て面白い言葉ですね」と言われました。他の言語には同じ言葉がないみたいですね。社会人というとなんだか一人前の大人になった気がして、私が『社会人』になったときにはなんだか誇らしく感じた記憶があります。日本で社会人になるということは、日本社会の洗礼を受けることを意味します。これまでの学校やアルバイト先とはちょっと違う荒波の中に漕ぎ出していくわけです。明日も朝一番から就職試験向けのレッスン予約が入っています。荒波に漕ぎ出す生徒さんたちの助け手の一人として、一日をスタートできることを感謝しつつ。