きんぎょは日本語のチューターという仕事をしています。
きんぎょと一緒に文法や新しい語彙を学ぶというよりは、学んだことを実際にネイティブスピーカーに使ってみよう、という感じです。
きんぎょ的には、文法を教えたりするレッスンよりも、かなりおもしろいです。今日はそんなレッスンの中から面白かったことをちょっと書き残したいと思います。
台風がいる?ある?
先週末は西日本を台風が直撃いたしました。その話しを生徒さんとしていましたら、生徒さんが変な顔をしています。
「きんぎょ、その日本語おかしいよ」なにが?(ΦωΦ) 実はきんぎょ、こう見えて日本語のネイティブスピーカーなんですが、よくこのフレーズを言われます。
「きんぎょさ、今『台風今、九州のあたりにいる』って言ったよね。『台風は九州のあたりにある』でしょ?!」
実際、ニュースの天気予報では、『〇〇の北東にあって』と言ってますよね。
てなわけで、台風が『いる』と『ある』の例文を並べてみました。
A 台風は九州のあたりにいます。
B 台風は九州のあたりにあります。
どっちも正解だと思いますが、生徒さんは「絶対B! だって学校で習ったもん!私の先生はすごいんだもん!」と譲りません笑。
きんぎょが話したのは、ぐるんぐるん回りながら移動している台風の居場所を話していたので、Aのように言いました。『九州のあたりに居ます』です。
生徒さんが正しいと思うBは『九州のあたりに在ります』なので、(動いている台風ではなく)その時点での(数値的な)所在地を説明しているように感じます。
これは多分生徒さんが学んだ時に、いる=生物に使う ある=無生物に使う と学んだことが理由かと思います。この方式だと覚えやすくて、入門から初中級くらいまでは便利なんですが、それ以上になって日本人と話し始めると、例外を多く見聞きするので、つまずきやすいようです。
そんなわけで生徒さんに次の例文を見せました。
A マグロがいます。
B マグロがあります。
Aは水族館で、水槽の中を生きたマグロが泳いでいる時に言えます。
Bは食べるための魚を買いにいって、お店屋さんの入り口に冷凍や、刺し身の状態で売られている時に使います。
こうなると「生物」か「無生物」かでは分けられません。
そして、ついに生徒さんが降参しました 笑。
「だって、先生そうやって教えたんだもーん!」やっぱり諦めきれない生徒さん。
生徒さんには、その先生は日本語初心者だったあなたに、まずは簡単なルールを教えてくれたわけで、もうあなたはそれ以上のレベルになったんだから、おめでとう!哺乳瓶を卒業して、自分でご飯を食べ始めたんだよ!と言ったけど、納得してくれたかな?😅