今週の(数少ない)レッスンの中で、ちょっとした「事件」がありました。生徒さんが泣いちゃったんです。
きんぎょ、オロオロ。やべえ、何か言っちゃったかな?変な顔した?
実はずっと分からなくて、わからないところが先生に通じなくて、解決しなかった岩のようになった日本語が粉々になった、それに嬉し涙がでたのでした。
どんな日本語?どんな難題?いえいえ、そんな難しい日本語じゃありません。
この生徒さんはご自身の母語と、英語・日本語が少し話せます。日本で働いているので仕事をするためには日本語が必要です。真面目でよく働くので、外国人従業員のリーダー役を任せられています、と言ってました。
こういった立場になって、日本人の従業員から下記の3つの言葉をよくかけられるようになったそうです。
おまかせします。
まかせます。
まかせてください。
意味がわからない。日本語クラスの先生にも何度も聞いたが、納得できなかったとのことでした。
きんぎょにも何が分からず困っているのかわかりませんでした。
まず、どういう状況で使うのかをそれぞれ確認しました。それから動詞の原形や活用を確認しました。そででもない。うーん。あ?もしや。
オンラインのホワイトボードを出してちょっと書いてみました。
だれが+だれに+なにを+動詞(まかせる)
(わたしは)(あなたに)(〇〇を)おまかせします。
(わたしは)(あなたに)(〇〇を)まかせます。
(あなたは)(わたしに)(〇〇を)まかせてください。
このカッコの部分を含む文章を、全部日本語と彼女の母国語で書いてみました。
その途端、ザバザバザバ〜!生徒さんがないちゃいました。
この生徒さんが知りたかったのは何てことない、
見えない「主語・〇〇に・〇〇を」の部分だったんです。
それを文字にして知りたかった、見たかったのです。
実は生徒さんの中には、母語を使って比較したりしつつ、
視覚的に理解したいというタイプの方も結構います。
何度かこの生徒さんとレッスンして、この方はそうだろうなと思いました。
でもこの生徒さんが受けてきたレッスンはすべて直接法で、日本語オンリーでした。
おそらくですが、日本語教室でも同じような説明を聞いたり、
見せてくれたことはあると思います。
ただ、自分の母語や十分に理解できる言語で、質問したり答えてもらう機会がなかっただけなのだろうと思います。
視覚的に理解と納得ができたら、自分の母語と比較してああだこうだと
嬉しそうに話してくれました。
日本語母語話者にとっては、当たり前に省略して、
当たり前に理解できることです。
でも母語話者でない人たちにとっては、ヒントもないのに
勝手に隠すんじゃねーーー!という感じなんでしょうね😅
日本語を教えるにあたり、ちょっとでも勉強してよかったなと思いました。
日本語教育の端っこをかじるまでは、日本語の特徴すら知りませんでした。
さて、今夜も勉強頑張ります!