先日<その439>で生徒さんによる日本語考察について書きました。
きんぎょの生徒さんの中には、ビジネスや学校で日本語を使っている人たちがいます。
今日のお話はそんな生徒さんが教えてくれたお話しの一部で、前回とは別の方です(この方はまたこれからレッスンの予約があるので、きんぎょ、個人的に楽しみにしています(^o^))。
この生徒さんの日本語考察もおもしろいです。
「私、空気は読めませんが、(読んでるっぽさを)ある程度は知識で調整できます。読んでるっぽい空気を作り出すんですよ、こちらから。」
日本語には「空気を読む」という言葉があります。文章の正しい意味を理解するために、実際の文法よりも、その場の対人関係や状況の方が優先されることが多々あります。
しかしこれがなかなか難しい。
ならば、こっちから空気を作っちゃえ〜!というのがこの生徒さんの「空気対策」です。
どんなことをやってるのか?実は意外と簡単でした。
この生徒さんの母語では、親密さや近さ、愛情を演出する言葉や表現が好まれるそうです。例えば生徒さんがカフェに行った時のこと。いつも美味しいコーヒーを出してくれるので、母語での表現をそのまま日本語にして「私、このコーヒーを愛してます!」と言ったら、店員さんが「・・・?😅あ、ありがとう」あれ?何だかおかしい。生徒さんも、どうも日本語でこういう表現が違和感をもたらすと気がついて、研究を始めました。どんな表現なら喜ばれるのか。「美味しいです」うーん、それは普通の表現。もっとないかなあ?
生徒さんの研究の結果、日本語の場合は、感謝や謝罪の言葉がそれに代わると発見したそうです。新天地開拓。
「きんぎょ、日本人の心を確実に掴む言葉、知ってますか?」い、いえ、知りません。
「(Te Form +くれて)ありがとう(ございます)、です。」
・来てくれてありがとう
・見てくれてありがとう。
・教えてくれてありがとう。
・してくれてありがとう。
例えば仕事で、同僚の日本人がこの生徒さんに何か言いに来ました。日本語は分かるけど、はっきりと言いたいことがわからない。途中でどうも遠回しに注意しているらしいことに気が付きました。
この時、この生徒さんは「ごめんなさい」や「申し訳有りません」の前に「教えてくれてありがとうございます」と言うんだそうです。
すると一気に本音で話し始める方が多いんだそうです。
「いやあ、言いにくかったんだけど、〇〇さん(生徒さん)、いい人だね〜。いや、この〇〇、こうやってくれないと、営業からいつも怒られるんだよ〜」なーるほど。そこで初めて具体的に何がダメだったのか、分かるんだそうです。
それを一通り聞いてから、謝罪が必要なら、謝罪するそうです。
・・・きんぎょも見習わねばと思いました。勉強になります(^o^)