めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その257〉「読む書く聞く」と「話す」

「読む書く聞く」と「話す」は別能力だ!と話す生徒さんがいます。え?「読む書く」と「聞く話す」じゃないの?と質問しました。するとこんな返事が。「読む書く聞くは自分だけで練習できるし、やったら必ず伸びるけど、話すのは相手が必要だしやってもうまくなるかどうかわからない」ということでした。

この生徒さんは大変熱心で、普段から日本語の本を読んだり、日本語で日記を書いたり、日本語のポッドキャストを聞いたりして勉強しています。ですが「話す」だけは違うそうです。話す能力を鍛えるためには、何に対してどう反応してくるか分からない「生身の人間」を相手にしないといけない、とほほ〜(ん?もしやきんぎょのレッスンもとほほ?)とぼやいていました。

「独り言練習法とかあるじゃない?」というと「あれは発話の練習であって、会話の練習じゃない」とのことでした。ほほ〜。

さらによく聞いていると、どうもこの生徒さん、トラウマがあるようです。人生初めての外国語が日本語だったのですが、昔日本語での会話が下手だと単刀直入に言われてしまい、今でも「話す」だけはいまでも強い苦手意識があるそうです。

きんぎょが思うに、会話というのは結構センスとか読みとかいろんな能力が必要です。内容、語彙、文法、発音、話し方、五感をフル活用してやらねばならないので、一番得意不得意が出るような気がします。頭の中で文章が作れても、心に壁があってうまく話せないという場合もあります。

きんぎょはチューターなので、会話の練習をすることが多いのですが、その際にどうしても過去のトラウマなんかにふれてしまうことがあります。みんなの前で話し方をバカにされた経験から、詩人のような日本語を書くのに、話すのが母語でも日本語でも苦手という人もいました。

私も同じ外国語学習者として、話すことの難しさと同時に楽しさも知っています。これからも生徒さんの手助けができればと思います。