めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その313〉変化する日本語

「きんぎょ、昔ね、私が日本語を勉強した頃とはぜんぜん違う日本語を話してるわけですよ。」

とある生徒さんの話しです。毎日日本語を話して生活する生徒さんの中には、毎日ご本人にとっては涙涙、きんぎょにとってはちょっとおもしろい「日本語の失敗」があります。

この生徒さんは学習歴も長く、会話能力もバリバリです。そんな方に何が起きたのか。

もしかしたら同じようなネタを以前にも書いたかもしれません。ですがあまりに頻繁に同じような事件(?)が起きるので、今日はこの件についてまた書いてみたいと思います。

とあるお天気の良い日曜日、生徒さんが散歩をしていると、ご近所のおばあちゃんが小さいワンちゃんを連れて散歩をしているのと鉢合わせしました。

ひとしきり話をして盛り上がったそうです。会話の最後に「あの言葉」を言うまでは。

それは「餌 えさ」でした。

「おばあちゃんの犬、どんな餌を食べるんですか?」

おばあちゃんの顔が一気に険しくなったそうです😂

やべえ!何か失敗した!と思ったけど後の祭り。

 

この生徒さんが日本語を勉強した頃は「動物のご飯は『餌 えさ』と言います」と勉強しました。でもそれから数十年、動物と人間との関係は大きく変化しました。

きんぎょも直接日本人と話すことが多い生徒さんの場合は「日本人と直接ペットの話をする場合、『えさ』じゃなくて『ごはん』と言ってね。その人にとっては家族同然だから。」と話をします。

あと「ワンちゃん」とか「ネコちゃん」、「かわいい子(犬や猫ではなく)ですね」などかな。

辞書に書いてある意味と実際の運用が違う、文法上正しくても違和感がある、こういう言葉や文章はけっこうたくさんあります。もちろん日本語以外の言語でも沢山ありますが、日本語の場合、運用に失敗しても直接指摘されることが少ないそうです。知らない間に相手の気分を概していたのに全く気がついていなかった、なんてこともあります。

オンラインの会話レッスンの良いところは、先生を相手に遠慮なく間違えて指摘してもらえるところです!と張り切ってコマーシャルしておきました(笑)