日本語が上手な生徒さんなんかは、日本語で日本人と毎日の会話やSNSでやりとりを楽しんでいます。日本語の練習のためにもとてもいいことですね!ですが、ときどき問題が起きることがあります。
だいたいこのくらいのレベルになるまでに一度や二度は経験するのが「学校で習った言い方を普通の日本人は使わない!!どういうこと?!」です。おそらくどの言語でも、ネイティブスピーカーはテキストで習うような言い方で日常会話をすることはありません。ただ、日本語の場合はそれが顕著な場合が多々あります。外国語学習者は恥や失敗の壁を乗り越えていかないと、言語習得は難しいとおもいます。
ですが、最近とある生徒さんの身に起こったことは、あまりに残念でなりませんでした。知り合いになった日本人とメールでやりとりをしていたら、その人から「あなたの日本語は誰も使わないような日本語だ。毎回不愉快だ」という趣旨のメールが来たのでした。スクリーンショットを見せてくれたのですが、私もショックを受けました。
決して間違った日本語ではなく、単に「です・ます形」で書いているというだけで、作成した文章の意味もとてもよく理解できるものでした。
生徒さんとしては、まだ知り合い程度の間柄だし、あまり親しげなメールはかえって失礼になると思い、きっちりしたメールを送っていたのですが、今回はそれが裏目に出てしまった格好です。
生徒さんは「日本人のタメ口、敬語の使い分けのポイントがわからない」と嘆いていました。ですが、正直に言うと私もここまで言わないといけないようなことなのかと、悲しくなりました。
日本語でのやりとりでつまづいた生徒さんには、なぜこうなったかをできるだけ説明をするようにしています。できるだけ論理的に説明して、励まします。
私にできることは小さいですが、生徒さんの学習継続の助けになるよう、特にSOSが来たときは、時間をとって解決に務めるようにしています。
私も日本語のセンセイをしているというと「え?その日本語で?」とやられたことがあります。ふだんはコテコテの方言で話しますし、文法的に間違った言い方もします。日本語教師の先生方のYoutube動画にもコメント欄に「日本語教師ならまずはあなたの日本語をどうにかするべきだ!」なんていう心無いコメントが書かれていることがあります。
ことばは生きていて、意思や感情をダイレクトに伝えることができます。善意の忠告のつもりでも、言われた方には鋭い刃になってしまうことも多々あります。私も仕事柄、ひとの失敗や弱点について毎日指摘するのですが、言い方や伝え方には気をつけようと思った次第です。