めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その183〉「まるごと」を使ったレッスン④ 文字 (italki)

※過去のブログ記事とかぶる内容が多いです。「まるごと」を使うオンラインレッスンでの文字の取り扱いについて、あらためて書きたかったためです。2020年11月時点での私の進め方です。

 

 「まるごと」を使ってレッスンをする際の、私にとって難しいことの一つは「文字」の指導です。私はtutor という、主に会話の相手をするセンセイです。日本語学校の先生ではないので、基本的に生徒さんの要望に合わせてレッスンをします。ですので中には全く文字は勉強しない!という人もいます。

 そういえば最近「Lisa様の歌を日本人ぽく歌いたい!この一曲だけ教えて!文字の学習不要!」というご要望の生徒さんがいました。鬼滅の刃、人気ですね。この年になってまさかアニメに詳しくなる日がくるとは思いませんでした。鬼滅の刃は、海外のニュースサイトにも映画館の賑わいぶりが話題になって記事が掲載されたそうです。コロナ対策や経済的な面からみた鬼滅の刃効果について話す生徒さんもいました。

 

 話を戻して。日本語学習者の最大の難関は(人によっても違うとは思いますが)文字ではないでしょうか。無限に広がる漢字の海、、、ひらがなの里、、、カタカナ平野、、、地平線も水平線も見えないような有様です。あまりのゴールの見えなさぶりに最初っから嫌がる生徒さんも少なくありません。

 

私のレッスンは一回ごとの契約ですから、いくら文字の学習が大事だからといって、文字を最優先事項で教えると99%の生徒さんはいなくなるでしょう。それでは商売になりません。バランスが大事です ^^; 日本語学校ではなく、italki のオンラインレッスンの場合、生徒さんにはレッスン受講の強制力はありません。ですので続けてもらうためには、生徒さんの日本語力の向上を目標にすることはもちろん大事ですが、それ以外にも楽しさや満足度といった部分がとても大事になります。センセイはショーマンシップ(showmanship)が問われます。エンターテイナーですよ!

 

 日本語入門者〜初心者が使用する「まるごと入門A1(ピンクのやつ)は、主な例文にアルファベットで読み方が書かれてます。日本語の文章自体もひらがな、カタカナと数字が主で、比較的簡単な文章です。私がアルファベットで例文や文字を入力する時は、「まるごと」の書き方に合わせています

例えば「いつも」なら「itsumo」で、「itumo」とは入力しません。生徒さんが自習するときに混乱するので統一しています。私にとっては「itsumo」も「itumo」も同じことですが、生徒さんにとってはつづりが違えば発音が違うはず!というように見え、混乱の元になるようです。

 このアルファベットでの読み方表示がつくのは入門A1までです。これ以降は、英文での簡単な説明はあっても、読み方はありません。ですので、私はこの入門A1が終わるまでに、生徒さんが文字に興味を持つように持っていきます

まずはひらがなでかいた単語や例文を「見る」ことからはじめます。「まるごと」入門A1の最初の方に「ひらがな」と「カタカナ」について勉強するページがあります(P24,25,30,31) 。このあたりを見ながら勉強しますが、全部はしませんし、書かないです。「『いぬ』って、こんな字なんだね」くらいから始めます。

興味を持つと、自分で少しずつ勉強を始めてくれます。最近は無料のアプリなどがたくさんあるので、興味を持ってくれたらこっちのものです。自分で勉強を始めた様子があれば、とにかく褒めます!生徒さんのひらがなの勉強がある程度進んだら、再度 P24,25,30,31 を使って、成長を確認します。

 生徒さんが文字について質問をし始めたら、できるだけ根気強く、丁寧に説明するようにしています。ひらがなだけではだめなの?なんで「オタク」はカタカナでかくの?漢字はいくつ覚えたら使えるの?正しい答えがない場合でも、できる限り説明したり、実際に書いて見せたりして、満足度数をあげるよう努力します。(間接法の場合)

 実際に文字を書いてみせることもあります。手元に小さいホワイトボードをもって書いて見せる場合と、オンラインのホワイトボードの場合があります。簡単なようで意外と難しいのがひらがなです。直線だけで書くと変なので、あの曲線の具合を実際に書いてみせることがあります。