めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その252〉最近話題になったトピックについて

生徒さんと会話のレッスンをしているといろんな話題がでます。生徒さんによっては私の知らないような日本のニュースを選んでくれる人もいます。今日はその中から最近盛り上がったトピックについて書こうと思います。

そのトピックは「義務教育は学校で受けるべき?」

ピンときた方もいらっしゃるかもしれません。義務教育年齢の著名なyoutuber のお子さんとカウンセラーのお父様の「学校へ行きたくなければ行かなくてよい、ホームスクーリングで勉強が可能だ」というご意見に対して各界の著名人の方々がいろいろな意見を戦わせている件です。・・・といって、きんぎょは実はこの件を知りませんでした。生徒さんに教えてもらって初めて知りました。

この件からは日本の教育事情を知ることができるので、海外にお住まいの生徒さんや、日本に住んでいて将来日本で子育てをしたい生徒さんからも質問がありました。

きんぎょはどう思う?と生徒さんにずいぶん聞かれました。きんぎょはコテコテの日本教育育ちです。海外留学経験もありません。ホームステイすらありません。ちなみにきんぎょの意見は「行っても行かなくても学校と関わりはもつべき」です。

きんぎょが「義務教育」の問題を考えるとき、忘れることができないのは日本に住む外国籍のこどもさんとの出会いです。

きんぎょはボランティアで地域に住む外国人の方にボランティアで日本語を教えたことがあります。その経験と、これまで日本語のセンセイもどきをやってきた経験から思うのは、ホームスクーリングは大変難しいということでした。学校に一定のレベルや資格を持つ先生がいるということは「居る」ではなく「要る」ということなのだと思います。

ボランティアで日本語を教えていると、ホームスクーリングをしている家庭との出会いが時々ありました。外国籍の子供さんには就学の義務がないので(表現が間違っていたらすみません)、就学年齢になっても役所や教育委員会のような公の機関から強くアピールすることができません。

この時ゾッとしたのは、ホームスクーリングをしている子供さんの学習の権利は、完全に親御さんの手の中にあるという現実でした。ホームスクーリングをしていると言っても、決まったカリキュラムがあるわけでもなく、親が与えたものだけからしか勉強ができない、学習の計画もゴールも評価もない行きあたりばったりなケースもありました。

「日本語だってちゃんと勉強してる!」というのでどんな勉強か見せてもらったら、全く日本語がわからない子供さんがひたすら親にもらった漢字ドリルを見様見真似で書いていたなんてこともありました。でも送り仮名のひらがながわからない子供さんがまず難しい漢字から学び始めても覚えにくいだけで、とてもかわいそうに思ったのを覚えています。

中にはその後母国に帰国したけど、日本の学校に通っていなかったので学習履歴や成績証明がもらえず、母国で学校に通えないかもしれないというケースもありました。

 

きんぎょが日本語のセンセイもどきをしていて思うのは、学習に必要なカリキュラムと時間配分、評価を決めて実際に運用するのは、専門の教育を受けないと難しいということです。今、日本語を教えていてそれに困っています。新しくレッスンを始めた生徒さんが、正確に今どのあたりのレベルなのか、どんなカリキュラムを組むべきか、今のきんぎょは正直に行って見様見真似すらできません。真似る対象がないからです。ですのでできるだけよく話をして納得できるところを探すようにしています。