「I love you をどう日本語にいたしましょう?」ときかれた夏目漱石が「『月が綺麗ですね』とでも訳しておきなさい」と言ったという逸話があります。実際の話ではないという説が有力だそうですが、それでも風情あふれる美しい返事ですね。
前回の〈その221〉の最後に書きましたが、外国人の生徒さんの中にもこの話をしっている人はけっこういました。
「月が綺麗ですね、でも、あなたがすきです、でもよ、きんぎょ。なんで愛を形容詞で伝えるかね?伝わらんがな。形容詞は様子や体感できることを伝えるんやで。私のこの燃え盛る愛は伝わりゃしませんがな!」と食い下がる生徒さん。
いやいや、動詞も使えますよ。
「愛する」あなたを愛しています。ほら、使えた!
「いや、きんぎょ。愛してますって使う?普通の会話で使う日本人見たことおまへん。」・・・確かに。歌詞や結婚式では使うけど、日常語じゃらないですね。言語によっては「コーヒーを愛してます」って普通に言うこともあるし。
結局、生徒さんの納得はいきませんでした(笑)おもしろかったです。