めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その221〉形容詞の謎 言語が違えば

私、知らなかったんですが、日本語の形容詞って、そうとう個性的らしいですよ。初心者の生徒さんと動詞を勉強するときは「難しいな」なんですが、形容詞に入ると「???」となります。

 

日本語教育では形容詞には2つのグループがあると教えます。『い形容詞』と『な形容詞』です。

い形容詞は、おいしい・かわいい・寒いなど、割とよく使う言葉が多いです。

な形容詞は、親切な・ステレオタイプなのように漢語や外来語に由来する言葉が多いです。国文法では『形容動詞』に当たるのがこのな形容詞です。

この辺まではいいのですが、ほぼすべての生徒さんの目が点になるのが『ほしい』と『すきな』です。こ、これ形容詞なの、、、?!日本語ヤバイ!という表情が浮かびます。

これは2言語(間接法)でやってる生徒さんの場合です。私が間接法で教える場合、先に大まかなルールをやってから、具体例にはいります。これは間接法の魅力で、特に趣味で日本語を勉強している生徒さんの場合、やる気と関心の維持に役立ちます。

ほしいは『欲する』、好きなは『好く』のように動詞はあるけど、使うと・・・芥川龍之介とか、そういう世代くらいまでさかのぼりますね。このあたりは例文を見せることもあります。

生徒さんによりますが、この形容詞の違いをありえない!でもちょっとおもしろい(笑)と感じられる生徒さんは、長く続けてくれることが多い気がします。

2、3カ国語を話せる生徒さんもけっこういますが、ヨーロッパ言語同士だと、ここまでの違いはない場合が多いそうです(ハンガリー語みたいにもちろん例外はあります)。

やっぱり「月が綺麗ですね」で愛が伝わるのは日本語だけでしょうか(笑)生徒さんからは「形容詞じゃ愛は伝わりません」とのご意見がありました。