めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その216〉東京か・それ以外か(留学生とハローワーク)

留学生の生徒さんの、日本 or 日系企業就職試験対策で忙しかったここ数週間でした。「え?今、まだやってんの?」という声がしそうですが、これはコロナの影響も大きそうです。今年の4月にはなんとか新生活を始めたい生徒さんたちの追い込みがつづきます。

生徒さんの就職試験対応をしていると面白いことがあります。その一つが「東京(首都圏)か・それ以外か」の違いです。すいません、某有名人の名言をパクりました。

私のレッスンを受ける日本在住の留学生の皆さんは、ほとんどが東京に住んでいます。ですのでやはり東京(首都圏)での就職を一番に考えます。その場合まず生徒さんのほとんどはエージェントを利用します。エージェントを利用すると、オンラインでほとんどのことが完結しますので、簡単で便利です。

そんな中でなかなか就職先が決まらない生徒さんが、東京以外の就職先に目を向け始めました。するとこれまでとは一気に様子が変わります。まず職安(ハローワーク)の利用が選択肢に入ります。首都圏で新卒・第二新卒向けの求人なら、りくなびなどのエージェントが強いのですが、地方都市で新卒や第二新卒を狙っていない求人ならハローワークだって負けてはいません。地方都市で小さくともキラリと輝いている会社の求人がザクザク出てくることがあります。

ところが!!ここからが問題です。

エージェントを利用していれば、ほぼすべてオンラインで完了したものが、ハローワークを利用すると「手書き」と「郵送」というクラッシックな手法を利用することが多いです。まず最初の難関は「手書きの履歴書」です。手書きの書類なんてやったことがない生徒さんたち。。。まずこの理由を生徒さんに納得してもらうのに30分。渋々ですが生徒さんが「コンビニに行ってきます・・・」と言い始めます。「黒色のボールペンも買っておいでよ!」と付け足します。その後は書き方、写真のとり方、郵送の仕方などを教えます。「母国でもやったことないよ。。。」と皆さん一様にボヤきます。

あと、生徒さんから「どうして目安となるJLPTのレベルを書いてないの?」とよく聞かれます。おそらくですが、そもそも外国人留学生が試験を受けにくることを想定していなかった(拒否しているという意味ではありません)だけだとおもいます。これも留学生に慣れているエージェントなら、こちらから言わなくてもだいたいの目安を教えてもらえます。ですので求人票から読み取れる情報から想定される日本語を含む語学のレベルを伝えて対策を練ります。

さて、ここから無事書類選考を通ると面接です。有り難いことに、今はオンライン面接が一般的になったので、一次・二次面接くらいまではオンラインでしてもらえます。

この面接対策も、首都圏か首都圏以外かでちょっと違いがあります。例えば首都圏以外の企業でよく聞かれる質問の一つは「うちの町のこと知ってる?」です。これに生徒さんがびっくりするんです、「私の能力や経験に関係ないじゃん!?」という理由で。ですがほんとによく聞かれるんです。ですので面接前に嫌がられても少しレクチャーの時間を取ります。この質問からは、東京とうちの町を同じようなものだと思ってない??という、企業さんの心配がひしひしと伝わってきます (^.^; ですので会社がある町の特産品や地場産業について知っておくのは、特に一次面接を突破するための必須事項だと思います。

職安の担当の方にもよるのかもしれませんが、日本全国から適した求人を見繕ってくださるので、最初は「東京以外は・・・」と言っていた生徒さんが途中から考えを変えることもよくあります。合格するまでエンヤコラ。もう一息一緒にがんばります。