めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その216〉よもやま話 (italki)

会話が中心のレッスンをしていると、いろんな話をきくことができます。嬉しかったこと、楽しかったこともありますが、悲しいことや辛いことのときもあります。

レッスンによってはこちらでネタを用意しますが、中には自分で話したいことがはっきりしている人もいます。やはり話したいことや、興味があることだと、生徒さんのテンションがあがります。がんばって話そうとするので、成長も早いです。

最近のレッスンで印象的だった話をちょっとだけ書きたいと思います。

 あるレッスンで、生徒さんが家族の歴史についてはなしてくれました。その方のおじいちゃんやひいおじいちゃんの代まで遡ると、その生徒さんの母国とご家族の苦難の歴史にたどり着きました。食糧難の時代、戦争で苦労した時代、国を出ていかざるを得なかった時代。母語ではなく日本語で説明するので、思ったように言葉が出てこないぶん、頭の中でたくさん考えないといけません。話し終えると生徒さんが涙ぐんでしまいました。「うちの家族、苦労したんだなー(TдT) レッスン終わったら久しぶりにおじいちゃんに電話しよっと」としみじみ。はるか昔、世界史や本で読んだが目の前(スクリーン越しですが)にいる生徒さんにつながっていると思うと胸が熱くなりました。

会話が主体のレッスンはどうしてもプライバシーを根掘り葉掘り話すことになりがちなので、気をつけないといけませんが、生徒さんがOKなら、italki のルールの範囲でなら何を話しても構いません。

 

先日、近所に住む知り合いから「日本語教えるって、どんなことしてるの?」と聞かれました。「人によって違うけど、今日の昼ごはんから哲学、家族の歴史、何でもいいよ」というと「いいなあ、私もだれか知らない人に話を聞いてほしいなぁ」と言いました。あー、なるほど。確かに、オンラインのセンセイって、仲良くなっても実際に会うことはなかなかない(そもそもめちゃくちゃ遠くに住んでいる)からこそ、本音を言えるっていう部分があるかもしれませんね。

冒頭の生徒さんの話も、もし普通の知り合いだったら聞くことはなかったかもしれません。オンラインセンセイの、ちょっと近くてちょっと遠い、その距離感が作ってくれた貴重な機会かもしれません。