日本語のレッスンをしてはやウン年。
見る限り、あまり書いている人がいないトピックがあります。
宗教です。
日本人同士で「あなたの宗教なんですか?」なんて聞くこと、ほぼ無いですよね?
ですが生徒さんのお国によっては、非常に重要な質問だったり、一般的な質問だったりすることがあります。
言語によって、国によって、タブーとされる質問は変わります。そして重要だと思う質問も変わります。
レッスンによってはいきなり最初の質問が「先生の宗教はなんですか?」なんてこともあります。
また、レッスン時間でご自身の宗教について話したいという方もいます。
ご自身の宗教のお祝いごとに合わせて、お祝いのメッセージをくださる生徒さんもいます。
たまに布教活動が目的だったりする場合もあります。
記憶をたぐると、少なくともメジャーな三大宗教についてはコンプリートしたと思います。
さてさて。
今このブログをお読みくださっているあなたが、「先生の宗教はなんですか?」と聞かれたらどうしますか?
答えられる人、答えたくない人、いろいろいらっしゃると思います。
答えられる人はそのまま答えたらよいと思います。
答えたくない場合や、なぜそんな質問をするのか意図を知りたい場合もあります。
その場合は相手の日本語のレベルに合わせて、感情的にならずに伝えます。
答える場合、一番要注意なのは『無宗教です』です。
これは日本人が想像しているのとは全く違う意味にとられる場合が多いので、オススメしません。といいますか本当に絶対的な意志をもって遮断しているのではないなら、使わない方がよいと思います。
「でも、日本語だとそういうでしょ?日本語を勉強しているんなら、日本人がよく使うことばを使えばいいじゃん」というご意見もあります。
ですが、相手は日本語学習者であって、日本語母語話者ではありません。明らかに誤解を招きやすい表現は避けたほうが良いかと思います。
中級以上の日本語が話せる生徒さんの場合は、日本人が言う「無宗教」がどんなものなのか、日本語で話したこともあります。
たまにレッスンで、日本の宗教事情について聞かれたりすることもあります。
特に信仰生活が生活の中心にある方、その宗教の宣教活動をしている方とのレッスンだと難しいことを聞かれたりもします。
その場合、知らないことは「知らない、分からない」と伝えます。
以前、ちょっと調べて伝えたら、その情報自体が間違っていたということがあったからです。
例えばキリスト教の場合、正教、カトリック、プロテスタントでは、同じようなことを指していても、グループによって使用することばが異なります。また、そのグループが使っていることばを、一般的な日本人が聞いてもピンとこないこともあります。
イスラム教のことばだと、ネットの情報自体が少なく、正しいのかどうかも分からない場合が多いです。イスラム教徒の生徒さんの話では、こちらもグループによっていろいろルールやことばが違うそうなので、そもそも一般的な日本語になっていないものもあるようです。
日本の神社やお寺についてもよく聞かれたりします。
特に日本への旅行を考えている方とのレッスンでは、お寺と神社の違いや見分け方などは、ネタとしても重宝するので知っておいて損はしません。