めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その397〉オワコン

生徒さんの貴重な日本語学習の音源の一つに、Youtube があります。Podcast もいいんですが、表情や口元を見られるのが学習者には結構大事なんだとか。

特に日本語は表情や仕草などを「込み」で聞かないと、言ってることと本当の意味が合わないことも。

あと、どんな人がどんなときに「私」「おれ」「ぼく」を使い分けているかなど、テキストでは学びにくいことを実際に体験することができます。

最近、とある生徒さんがお気に入りを教えてくれました。それは「切り抜き」です。

有名なYoutuber の動画を短くまとめたものですね。

あるレッスンで、事前に生徒さんが「きんぎょ、次のレッスンではこれについて話しましょう」と切り抜き動画のリンクを送ってくれました。

それは某有名コメンテーター(?)さんが「日本語オワコン論」を熱く語る動画でした。

シュールですね、日本語を熱心に学ぶ生徒さんが「日本語オワコン論」について話す。。。そして日本語でメシを食ってるきんぎょがそれを聞く。。。

内容としては、1億人少々しかいない日本語話者を対象に商売をしてもどうにもならない、これから日本語話者は減っていく。英語話者をターゲットにしないと発展はない、というものでした。

かなり面白い話しができ、60分があっという間に過ぎました。

いろいろと生徒さんが話して、最後の方にこんな事をいいました。

「うちの国さ、英語あんま通じないのよね。人口が極端に多いわけじゃないし。産業がそんなに発展してるわけじゃないし。でも『私の言語、オワコンです』って言う人、見たことないよ。なんで自分の国の言葉をそんなに下に見るの?そもそもそれって日本の英語の教育システムや第二公用語なんかの問題であって、オワコンって何よね。私は、簡単な言葉で一つの文化を評価するのは、敬意がない態度だと思います。」

生徒さんが不快に感じたのはこの「オワコン」という言葉でした。

「対象を短くわかりやすいものに仕分けて、価値なきものにしてしまう、悪い言葉だと思います。」

次回は、ネット上でどんなトピックに「オワコン」という言葉がよく使われているか、生徒さんが調べて、それについて発表してくれるそうです(^^)