先日のレッスンでちょっとした事件がありました。とある生徒さんからきんぎょの発音がおかしいと指摘がありました。
それは「くも」という言葉についてでした。きんぎょの言った「くも」は発音がおかしい、間違っている、とのことでした。
ああ、「蜘蛛」と「雲」の同音異義語のことね、と思ってよく話をきくと、どうもそれだけではない様子。
「くも(雲)は〇〇で、くも(蜘蛛)は△△です」と実演してくれましたが、どっちもきんぎょの耳には正しくない。。。
具体的に言うとこの2点に関する指摘でした。①アクセントがそれぞれ違うはず(アクセント間違い) ②「も」の発音が一方はくぐもった音(くむぅー、みたいな音)で、もう一方は明瞭な音(くまぁー、みたいな音)(発音間違い)のはず
きんぎょ、手元にアクセント辞典を持ってないこと、発音記号がしっかり記載された辞書を持ってないことを心から後悔・・・。ですが確かどっちも発音もアクセントも同じだったような、と思いながら話をしました。
生徒さんの話では、この方が大好きな日本語教育youtuber の先生がそう教えていたということです。その動画のリンクを送ってもらって確認したら、たしかにそう言ってます。もう一人一緒に説明してる先生も相槌を打ちながらそのように見本を見せています。
・・・辞書で今度確認しておくけど、地域差はあるにしても少なくとも日本中どの地域でも「も」の発音はここまではっきり分けて発音しないと思うよ、わたしはどちらも同じように発音するよと言ったら生徒さん激怒。おにおこぷんぷん。自分の大好きなyoutue の先生をバカにしたと怒り出したのです。
やべえ、italki にクレームがあがるかな?と思い、途中から気をつけて文字を残し、ヘッドフォンのジャックを外して音が出るようにして携帯電話で念の為録音をはじめました。
結局なんとか話しは終わり、レッスンも終了しました。決してあなたの先生を見下したのではなく、一日本語母語話者として「わたしはこう発音しないよ」という意見をいったまでのことだとコンコンと説明しました。納得したのかどうかはわかりませんが、もうこの方からのレッスン依頼はこないでしょう。
youtube はとても便利なのですが、ほぼ一方通行の学習になるので、視聴者は動画上の情報すべてを正しいと認識して学習しがちです。「この先生が言ってるなら間違いない!」と生徒さんは思ってても、実際にはそうではない場合も。同じく(あ、その先生とは規模は全く違いますが)動画を作っている身としてちょっと背筋が寒くなりました。市販のDVDやテレビ番組と違い、他の先生やスタッフによるチェックが入らないまま作っているので、やはりその部分は意識して利用しないといけないなと思いました。
やっぱり辞書ほしいなあ〜。本屋さんにいくたびに思います。もうちょっとお金がたまったら奮発します。仕事がんばるぞ!