めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その136〉言葉が通じても話は通じない (italki)

例えば、外国人同士でも

お互いが理解できる言語で話せば

会話ができます。

 

では、お互い日本語を話せたら、お互いの

ことをバッチリ理解できるでしょうか?

 

答えはNOです。

 

どちらかといえば「分からないことがある

ということが分かるようになる」

という部分がないでしょうか。

 

とある日本にお住まいの生徒さんから

おもしろい質問がありました。

この方は配偶者が日本人で、日本語を勉強しています。

 

ご自身のこどもさんが「お腹がすいた」と

言ったので、「かわいそうに」と日本語で

言ったら、日本人の配偶者がキレたそうです。

 

(この方の配偶者は日本語と、この生徒さんの

 母語が話せます。)

 

でも、同じ意味のことを自分の母語で言った時は

何もおこらない。??????なんでなんで?

日本語を勉強するの、やめたほうがいいかなあ、と

ぼやいてました。

 

日本語の「かわいそうに」には、明確な主語が

ありません。ですので、主語は想像するしかありません。

このときに、なんとなく「(こんな小さい子にお腹を

すかせるなんて悪い親ね!)」みたいな主語に脳内変換

するのではないでしょうか?

 

これをこの方の母語で同じことを言う場合

主語は明確に「あなた」つまりお腹を空かせている

子供本人です。「(お腹を空かせたキミが)かわいそう」

なのであってそれ以外の人への影響はないのでは

ないかと思います。

 

まさかの、日本語を学習したが故の問題発生(笑)

でも、どうぞ日本語学習は続けてください。

私の仕事をがますます減ってしまいます(笑)と

返事をしました。

 

そんなある日。

また別の出来事です。

 

レッスン中に、生徒さんとコロナウイルス

ワクチンの話になりました。

 

「ワクチンができたら、どうしますか?」と

質問したら、生徒さんの反応がビミョー。

 

・・・あ、地雷踏みましたか?(←年がバレる)

 

(ワクチンや予防接種は、国や人によっては

 かなりデリケートな質問となることがあります。

 宗教や性差別のようなトピックではありませんが

 ちょっと注意が必要な場合があるようです)

 

生徒さんが逆に私にいくつか質問をして、

やっと原因がわかりました。

 

私にとってはワクチンは選択するものですが、

この方にとっては「国がするといえば拒否権はない」

もので、個人の選択権なんてそもそもない!

なのでキョトンとしてらしたんですね。

どうするもへったくれも、国がしろ!といえば

するしかないんだから。

だから私の質問の意図がわからなかった

とのことでした。

 

私の、ワクチンに対する常識と

この生徒さんの常識ではかなり違いが

あったわけです。

 

言葉を勉強すると、たくさんの壁にぶつかります。

特に中級にさしかかると、伸び悩みや、

ある程度の語学力があるがゆえの

衝突に悩まされることもあります。

そういった気持や衝突へのフォローも

気をつけるようにしています。