めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

<その30>ボランティア日本語センセイ(ボランティア)

時々ボランティアで日本語を教えています。

個人的に頼まれたもので、公的なものではありません。

ボランティアなんでもちろん無償です。

交通費もありません。

 

この経験は、私が日本語教師を目指すための

「ちょっと暗い」経験をくれました。

 

そのうちの一組。

非常に考えさせられました。

 

日本滞在年数の長い外国人(外国籍)の

ご家庭のこどもさんとお母さんです。

ご家庭のポリシーで子供たちは家庭で勉強しています。

いわゆる「ホームスクーリング」です。

本の学校との接点はありません。

 

日本では外国籍の子供には就学義務がありません。

希望すればもちろん日本のこどもと同じように

義務教育を受けられます。

 

www.mext.go.jp

つまり、外国籍の子供たちは、まずその親が

希望しなければ日本の義務教育は受けられません。

 

日本の義務教育を受けるには

いつくかの壁があります。

 

しばらく前の話ですが、前出のお母さんが

激怒したことがありました。

「私の子供たちはホームスクーリングだから

 日本で義務教育を修了したと認められない

 んだって。ずるいわよね!」

 

・・・? ん?

 

ホームスクーリングをすれば日本の義務教育を

終了したと認められると思っていたようです。

 

よくよく話を聞いていると、どうも不登校

子どもたちのケースや、ホームスクーリングを

している人たちの「口コミ情報」「ネット上の

情報」を鵜呑みにして「日本では学校にいかな

くても義務教育の卒業証明をもらえる」と本気で

思っていたようです。

 

・・・そんな国、普通ないでしょ!Σ(゚Д゚)

 

そのお母さんが気が付かなかったことはなんでしょうか?

おそらくですが、その口コミに出てくる子どもたちには

日本国籍があったということです

 

日本国籍があるから「義務教育」を受けなければなりません。

だから学校に通うことが困難な子供たちのために

学校や親御さんは様々な努力をしています。

その結果、毎日学校にいた訳ではないけれども

卒業資格を得ることができた、ということだと思います。

 

その中にはインターネットには出てこないような

配慮やご苦労、情報がたくさんあると思います。

発信された情報にしても、その情報を発信するときに

聞き手に日本国籍があるかどうかなんて

配慮はしていないと思います。

 

このお母さんの場合、教育機関の方ももちろん

アプローチしましたが、「義務」ではない人たちに

強要するわけにいかない上に、言葉があまり通じない相手と

込み入った話をするのは実際のところ大変なことだと思います。

 

教育が「義務」かそうではないかの壁は大きいです。

 

このご家庭の子供たちが将来どのような進路に

すすむのかはわかりません。

日本で暮らすのか、それとも母国に帰るのか。

もしくは他の国へ羽ばたくのか。

21世紀の子どもたちです、選択肢はたくさんあります。

 

実はその時に「卒業資格」というのは思いのほか大切です。

国によっては、公的な在籍証明や卒業証明がなければ

国民であっても学校教育を受けるのが難しくなったり

正当な評価をもらえない場合もあります。

 

子どもたちの未来が情報の不足で妨げられたとしたら

残念な限りです。

 

学校なんて、めんどくせ~と思うタイプの子供だった

私ですが、この一件を通し、子供時代の教育がなぜ義務で

あるか考えさせられました。

 

2020年度は国が外国籍の子供たちの就学について

新しい方向性を示す予定です。

 

www.tokyo-np.co.jp

 

 私のような小さいものも、何か人の役に立てばと思っています。

日本語を教えて、必ずしも喜んでもらえるわけではありません。

むしろ痛みの方が大きい場合も多々あります。

 

ですがその経験がこれまで将来の夢なんてまったく

なかった私に、この歳になって新しい進路をくれました。

もうちょっとがんばってみようと思います。