「きんぎょ先生、今度学校の課題でレポートを書くんです。日本語の文学を一つ選んで、それについて自分でテーマを決めて書きます。先生、手伝ってね❤」
はいはい、何でも手伝いますよ。
で、誰を選んだんですか?どんな本?
「イシグロ・カズオです。いいでしょ、このセレクト?内容はもちろんですが、絶対(学校の)先生ウケもいいと思うんです。むふふ。」
・・・あー、内容は間違いなくいいんですが、イシグロ・カズオのシリーズは全て英語で書かれてますよ、原書。
「え?でも彼、日本人ですよね?」
ウィキペディアで彼のヒストリーを調べてください😂
世界的に著名な日本人(日本語で原書を書いた)作家を選んだはずだったんですが、なかなか思ったようにはいきませんね。
ですがいいきっかけだったので、個人的にイシグロ・カズオの『日の名残り』(日本語版)を買って読んでみました。仕事のお昼休みに読んでいます、今3周目。
きんぎょ、本を読むときは、一度ざっと目を通して、2周目からじっくり読みます。
久々にノウハウ物や勉強の本、すぐに役に立つ系以外のを読んだ気がします。
猛烈に満足しました。
淡々と続く丁寧な文章なんですが、途中から文体はそのまま、でも時代や出てくる人たちの歯車がズレ始めます。激しい事件も事故も起きません。
一つの時代と文化の廃退と終わり、そして小さくとも新しく始まる次の人生。
ちょっと今の時代と被さるものを感じます。
勢い余って、外国語版(日本語以外)を2冊買っちゃいました。
こちらもちまちま読んでます。
これは思わぬ副産物で、イシグロ・カズオの著書はかなり多くの言語に訳されているので、マイナー言語でも手に入りやすいんです。アマゾンでポチったら、一冊は3日後、もう一冊は3週間後に届きました。
他の作家ではなかなかこうはいかないです。
さらに勢い余って図書館で、初心者向けの向けの漢詩や百人一首の本なんかを借りてきて読んでみました。
激烈に満足。
そういえば、読書の秋が近づいてますね。