「認識するというのは、文字にするということだと思います」
きんぎょの生徒さんが、レッスン中にこんなことを言いました。
先日のニュースで東京都「ブラック校則撤廃」に向けた動きが取り上げられていました。日本の大学院に通う生徒さんと、その内容について話しました。
ふと、生徒さんが「黒校則(くろ こうそく)とは言わないの?」と質問しました。言いたいことは分かるけど、使いませんね。
そこから日本語での「ブラック」と「黒」をテーマに話し始めました。生徒さんの考えでは、同じ色を指しているけど、同じ意味ではない、ということでした。
「日本人(日本語母語話者)は、無意識に使い分けてますよ、私から見ると。ちゃんとルールがある。でも認識してないですよね〜」
⭕ ❌
ブラック校則 黒校則
ブラック企業 黒企業
ブラックバイト 黒バイト
黒歴史 ブラック歴史
黒執事 ブラック執事
このくらいしか浮かびませんでしたが、印象の違いから意味の違いについて話しました。そして違いを見つけると、あれれ?本当だ、違いについて話すと、そこにはっきりと「違いがある」という事実がくっきり浮かび上がりました。
さっきまでは違うとは思っていなかったのに、文字に、言葉にしたら、ずっと別のものだったかのようにあたりまえに「別のもの」になりました。
そこで文頭のはなしに戻ります。
この生徒さんは日本語を勉強しに日本に来ているのではなく、ご自身の専門分野の研究で日本に来ています。日本語は日本での生活のために勉強しています。
日本語を専門に勉強する生徒さんとはまたちょっと違う視点で気がついたこと教えてくれます。とてもおもしろいです。