めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その609〉最近興味を覚えた日本語

2023年11月あたりがとても忙しかったので、書きかけで終わった記事がいっぱいありまして(笑)。ちょっとそれに手を加えて、年末の時間のある内に、今年の記録を残しておこうと思います。ブログって、自分史を振り返るのに最適だと思います。正直な記録や気持ちを残して置こうと思います。

その中の一つから。

日本語らしい言葉って言ったら、どんな言葉を思い浮かべますか?木漏れ日、おまかせ、お疲れ様です、結構です、、、日本語にしか無いと言われることばや使い方が難しい言葉、文章はたくさんあります。そういうのを想像しながら、生徒さんと「好きな日本語」とか「使いたいけど使えない日本語」について話したことがあります。

この時の生徒さんとは、「最近興味を覚えた日本語」をテーマに話しました。

これが面白い。

なんと「幸せですね」でした。

ホントはもう一個あったんですが、このインパクトが強すぎて、忘れてしまいました。

なぜ?幸せですね? 

この生徒さんは日本に住んでいるんですが、同僚(日本人)が結婚したとのことで、「おめでとうございます。幸せですね。」と言ったんだそうです。すると周囲の日本人の同僚がみんな「ん?」と言いたげな反応をしたそうです。空気を読んだ生徒さんは、何か間違えたな、とは気がついたけど、一体何がおかしいのか分からなかったそうです。文法的には間違ってないと思うし、、、うーん、と考えて、後でその場にいた人たちに個別に質問したそうです。

するといろんな意見があったんだそうです。

・会話で「幸せ」って、高級旅館の露天風呂に入った時くらいしか使わないから

・「お幸せに」だったら違和感ないかも

・「幸せそうですね」ならしっくりくるかな。

・「この〜幸せ者〜」みたいな、冗談めかしてだったらいいんじゃないかな。

 

いろいろな意見があったにせよ、とにかくその場にいた全員が「ん?」という反応をしたんだから、何かおかしかったんでしょう。

ちょっと調べてみたら、「幸」という漢字は、古い文章では吉事、都合の良いこと、無事であること、栄えること、みたいな文脈で使われてきたようです。なので、今のワタシたちが表現したい「幸せ」って、外国文化の影響(happy やgladのような使われ方をする言葉)を受けて、後から派生したのかもしれませんね。

あとは、生徒さんの使い方というよりは、その場にいた日本語ネイティブがあまり使わない表現だった、というのが原因な気もしました。日本語ネイティブは比較的幸せや喜び、愛など、ポジティブな感情を表す言い回しをしない傾向が強いように感じます。ラテン語系の言語を勉強したときに、非常に強く感じました。ですので、公(親しい友人とかではなく、会社の同僚たち等)の場で、個人の感情を表す表現をしたことに、それを予想していなかった人たち(日本語ネイティブ)がびっくりした、という気がします。