めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その628〉〈その626〉を書いて。

最近、立て続けに生徒さんから小包が届きました。おすそ分けや、帰省していた際のお土産です。今、それを食べながらブログ書いてます。見たことも聞いたこともないおやつもありました。冬が長いヨーロッパの国出身の生徒さんは、パッケージの名前が読めないおやつを送ってくれました。ジャムの入った茶色いソフトクッキー生地のおやつは、シナモンが効いててお茶と良く合います。休日の朝食にもうってつけで、今まさに食べてます。

 

〈その626〉の補足です。生徒さんによるときんぎょは「褒め型」ならしいです。注意が続いても、最後にまとめで褒めます。ですので全体で見ると2〜3褒めて、1注意くらいになる気がします。注意も最終的にポジティブな形になるように言います。単なる言い換えですが、きんぎょのストレス軽減にもつながります。

ですので、結果的に褒められたら後は自分でやる(勉強する)タイプの生徒さんが残った気がします。〈その626〉を書いて気がついたことです。

きんぎょから全部学びたいという生徒さんは少ないです。いないわけでは無いのですが、例えばビジネス系のチェックを依頼している生徒さんがいますが、この方は簡潔なやり取り(やり取りはほぼメールなどテキスト形式)を望むので、指摘や注意事項が中心で褒め少なめ、実践形式でやりたいのできんぎょを真似る方式の学習、みたいな感じです。

以前に非常に高度な資格を持って英語の先生をしている生徒さんから、「それは日本語の先生としてはいかがなものか」というご指摘を頂いたことがあります。もちろんそういう気がしないでもありません。ただきんぎょとしては、語学の先生は、ある程度バリエーションがあっていいのではないかと思います。必要なときに必要な分だけ付き合ってくれる先生がほしい、というのもありだし、その気持もよくわかります。italki という、生徒さんが毎回のレッスンを、自主的に選べるというサイトで先生を始めたことも影響しているかもしれません。

〈その627〉久しぶりにitalki のレッスン受講しました

久しぶりに生徒としてitalki のレッスンを受けました!基本的に自分がitalki で教えて稼いだクレジットしか使わない(自腹は切らない)ので、レッスンが少なくなった今、ちょっと受講を控えていました。ちょっと仕事がいそがしかったのもあります。

そしたら色々変わってました。画面が。レッスンが終わると、「先生の服装は適切でしたか?」とかいろいろ質問が出てきました。

ちなみに今日の先生は真夏の国の死ぬほど暑い地域にいる(しかもエアコンなし)なので、露出多めの服装です。この服装で普段の仕事場である大学にも行きます。

そういえば昔、コロナ前ですが、ビーチでビキニでレッスンしてた先生がいました。その時は中米の旅行先で、ライムが乗っかったグラスを片手にレッスンしてました。懐かしい😂

今回は、きんぎょの動画やレッスンで使うスライドの言葉をチェックしてもらいました。やっぱネイティブの、その国に住んでる先生の言葉って、めっちゃ生き生きしているように感じます。普段見聞きしない言葉がガンガンでてきます。新しい表現もたくさんでてきます。

普段動画やニュースで新しい言葉や情報に触れるようにしてますが、その情報をつなぐ会話は、また違うんですよね〜。

きんぎょが定冠詞を間違えると、先生の顔がビミョーな感じになるんです。「あ、やっぱネイティブには変な感じがするんだ!」と気がつくわけですが、やっぱこういうのが面白い。

きんぎょの場合はしゃべれるけど、書くのがあまり得意ではありません。書くと理解してないのが一発でバレます。「きんぎょ、基本の文法書の第一章だけやんなさい。全部やらなくていいから。」と先生からのアドバイスでした😂

 

〈その626〉中級レベル新規生徒さんの教え方について(考察)

”既に中級レベルになっている生徒さんが新規できた場合に、困っていることがあります。それは、初級の部分を自分で勉強したor先生があまり直してくれなかったため、間違えたまま癖がついてしまっていることがあります。指摘しても、なかなか直りません。 こんな時、どのように教えたら良いと思いますか?きんぎょさんは、完璧な日本語を目指して教えていますか?”

 

りさ様、コメントで質問をありがとうございます!書きたいことがたくさんあったので、記事にしてみました。(ショボショボ先生きんぎょの意見で恐縮です。)

レッスンを始めやすく止めやすい、オンラインで日本語を教える立場での意見です。

 

【完璧な日本語を目指すか?】

きんぎょの場合は生徒さんの目指すゴールへの伴走が主な目的で、生徒さんの伝えたいことが、伝えたい方法で、ちゃんと伝わる日本語を目指します。完璧な日本語は目指しません。完璧な日本語は、先生ではなく、生徒さんが自主的に目指してくれるといいなと思ってます。

きんぎょが目指さない主な理由は、レッスンのタイプが合わないことです。完璧な日本語を目指す!となると、ある程度拘束力のある強い関係のレッスンが必要です。先生と生徒の間に、同じ目的についての合意があって、献身的な態度で向き合わないとできません。今のきんぎょのように、ちまちま空き時間にレッスンをやってるのには向いてません。また、それに適したレッスンカリキュラムと指導方法も要求されます。ですが時間、金額、能力の面でそこまではちょっと厳しい。。。

 

【間違った日本語を覚えている生徒さん】

これはきんぎょ的には問題ありません。間違いが多くても、とにかく日本語を中級前後までやったというのは凄い!えらい!ですので、とにかくきんぎょは褒めます。褒める3:注意する1くらいの比率です。ちなみになぜ問題ないかというと、きんぎょの教え方を彫刻で例えると、生徒さんは粘土をくっつけて形を作っていく(=モデリング)足し算方式で勉強し、先生(きんぎょ)は大理石(=生徒さんが覚えてきたこと)などを削りながら形を作る(=カーヴィング)引き算方式でやっていきます。不要なところはきんぎょが判断して削っていくからです。

 

【間違いを指摘する(=判断して削る)場合】

生徒さんの性格や目的に合わせて、指摘事項に優先順位をつけて、いくつか組み合わせて伝えます。一度に全部は絶対に言いません。優先順位は下記のとおりです。

①すぐ直せるもの、直せないもの

例:「それはいいです。」⇒"It's a good idea." の意味で言ってるので、終助詞の「ね」をつける。中級前後の生徒さんならすぐ直せるので、その都度言ってもOK。それだけで生徒さんが本来言いたい意味に!

例:女(おんな)を「おな」と発音する⇒ちょっと時間がかかる。レッスン中には軽く触れておいて、別途少し時間をとって、本音(ほんね)など、同類のことばと一緒に練習してもいい。「文脈的に理解できるなら、もうそこまで直したくない」という生徒さんもいるので、生徒さんによってはしない場合もあり。

発音記号(IPA)を見て、生徒さんの母語で同じものがあれば、それを参考にしたりもする(きんぎょが知ってる言語限定)。「n」の発音⇒「んな」⇒「おんな」みたいに分けて練習もします。

例:イントネーション(全体の調子)が間違っている⇒時間がかかる。いちいち言わない。朗読など音読の機会が多い生徒さん(先生をしてる等)の場合は、音読の時間を少し取って、復唱してもらう。マネて覚えてもらう。でも指摘はいちいちしない。

②致命的か、そうではないか

例:格助詞の間違い⇒致命的。「私がきんぎょにチョコをあげる」が、「私をきんぎょにチョコがあげる」では伝わりません。格助詞は優先的に指摘します。他の例文もつけて教えます。

例:副助詞の使い方⇒間違いじゃないけど、不自然になる場合は、致命的ではありません。「私はきんぎょです。私は会社員です。私はコーヒーが好きです。私は・・・」ちゃんと通じるから致命的ではない。でもレベルアップするには、「〇〇は」の羅列は避けたい。こんな時は、その都度は言わず、頻度を下げて、より自然な言い方と一緒に伝えます。

【終わりに】

誤解を恐れずに言うと、先生が生徒さんの日本語学習の全責任を負う必要はないと思っています。きんぎょは、生徒さんがやめたいと思ったらやめてもいいし、また勉強したいと思ったらいつでも付き合います。

きんぎょ、小学生の頃に国語の教科書に掲載された、ドナルド・キーン(日本文学研究者)の「名前」に衝撃を受けたことがあります。外国人の名前なのに、横に「訳 〇〇」と書かれてない!他に掲載された文章とは違い、子供向けっぽくない本気の日本語だった記憶があります。

そんなドナルド・キーン先生ですが、会話が決してネイティブのようだったわけではありません。ちょっと文章っぽい、外国語のなまりのある日本語でした。ではそれで氏の功績が曇るかと言ったら、そんなことはありません。日本語を通してしたかったことを十分に成し遂げてこの世を去られました。

日本語を通じて、アニメの推しキャラをもっと深く知りたい、暇つぶしをしたい、仕事をしたい、家族のルーツに触れたいなど、その人の目的達成のお手伝いができたらいいなと思っています。

 

 

 

 

〈その625〉生徒さんの自主性を見習いたい

時々レッスンを予約してくれる生徒さんと話しているときに、新しい事業を起こそうとしているという話を聞きました。

率直に「すごい!」の一言でした。すでに日本で起業して、ちゃんと成功しているのですが、別のタイプの事業を起こすんだそうです。

ふと「今の日本の経済状況が良くないのって、気にならないの?」と聞いてみました。

実際、2023年は多くの生徒さんが日本を離れました。日本との仕事をしてはいても、海外から、という方が増えました。

「うーん、気にならないわけじゃないけど、払ってくれないわけじゃないからね。ネガティブな情報を拾っている暇があったら、元気が出ることをしたいじゃないですか(笑)」

そんな情報にかまってる暇があれば、筋トレして、美味しいお酒を飲んで、家族や友達と時間を過ごして、、、いい仕事をする!という方を選ぶんだそうです。

 

きんぎょ、気がついたんですよね。きんぎょ、ま・じ・で、ナマケモノなんすよ。根本的にナマケモノなんですよ。自主的にやんない、でも降ってきたやつはやる。この前向きさがないんですよ。

今の平日の仕事みたいに、仕事として外部からの圧力があればやるんですよ。でも、圧力がなくて、「やってもやらなくてもいいですよ」的なんだとダメなんです。やんないんです。ですから、みました?前回の記事。自分の勉強方法が受身形😂 聞いてるだけ(笑)

 

〈その624〉無料!日本語教育の知識update〜TCJ(東京中央日本語学院)動画

きんぎょ、平日のお仕事の時給が上がることが決まりました。たぶん8.5%くらい上がります。う、嬉しい。次の更新で1年経過が視野に入るので、そんな話を出したんですが、出して良かったです。

そんな時に、はてなブログのオススメで、自分の過去記事が出てきてました。ちょうど去年の今頃、家族から「日本語の先生やめて転職せよ命令」がでたようです。依頼があった仕事の支払いは入らないし、なかなかに辛い2023年の2月でした。それを思うと幸せな2024年2月です。

 

さて今日のトピックへ。

細々と日本語教育の勉強を続けているきんぎょです。レッスンは少なくなりましたが、一応続けています。こんなきんぎょでもまだ需要があるって嬉しいです。

現在のところ、平日は仕事、夜はオンラインの日本語レッスンをしている状況です。時間の都合もあり、勉強内容は下記の3つに絞っています。

①こせんだ先生の2023年版の日本語教育能力検定試験コースの動画の視聴

②赤本を読む

③TCJ(東京中央日本語学院)の動画視聴

 

今日はこの③について書きたいと思います。

オンラインで日本語を学ぶのと、日本語学校で学ぶのでは、内容も趣旨も資格も全部違います。きんぎょはオンラインでだけ日本語を教えていますが、生徒さんの中には日本語学校や日本語教室で学んだ経験がある生徒さんはけっこういます。

そんなわけで、オンラインで日本語を教える人でも、日本語学校(教室)でどんなことをしているのか、知っておくのはけっこう重要です。知らないと、生徒さんが訴えている疑問や困りごとの意味が分からないということもままあります。

あときんぎょのように、教授法をガッツリ学んだわけではない人の場合、(実際にやるかどうかはさておき)プロの先生がどのように教えているのかを知るのはものすごく勉強になります。

そもそも直接法でガッツリ教えている様子や、他の先生のレッスンって、なかなか見ることがありません。知るって大事〜。

また、最新の日本語教育の動向や知識を定期的にアップデートするのは重要です。どうしても自分の経験や知識に頼りがちなので、できるだけ新しい知識を入れるようにしています。

そこでオススメなのが東京中央日本語学院(TCJ)のYoutubeです。

日本語の授業って何をするの? 日本語学校の初級/中級/上級の違い - YouTube

 

コロナ禍に多くの日本語学校が動画を作成されていましたが、日本語を教えている(たい)人向けでは、このチャンネルがダントツ優秀です!

何がいいのか?

①継続的に動画を出している

コロナ禍が開けた2024年になっても継続的に動画を作成されているのがそもそも凄い。おそらく生徒さんが戻り始めたのでどこの学校も多忙になり、2023年あたりから更新する学校は少なくなったんですが、今でもかなり手の込んだ有料級の動画を継続的に出されています。継続されているので、フォーマットや方針にブレが少ないので見やすいです。

②ターゲットを「日本語教師になりたい人」や「日本語教育の知識をアップデートしたい人」に絞っている

もちろん生徒さん向けの動画もあるんですが、特に最近は上記の人たちに絞っている感じで、実際に勉強になる内容にフォーカスを当てています。学校褒めちぎり型の動画が少ないのも特徴です。

③自校以外の先生とのコラボ動画がある

日本語学校の動画だと、大抵は自校の先生が自校のアピールを兼ねて作成します。ですが、こちらの動画は自校以外の、タイプの違う先生とのコラボ動画がたまにあります。これが面白いんです。オンラインで指導する先生、間接法を取り入れている先生、Youtubeなどで著名な先生など、いろんな方とのコラボ動画があり、外部との交流がある様子自体に良さを感じます。オンラインで指導する先生も視野に入っているという感じが、きんぎょにはちょっと嬉しいです。内容としては、違いや特徴などの視聴者の知りたい内容だけではなく、現役の日本語の先生の視点からみた質問などもあり、勉強になります。

④実際のレッスンの様子や指導法などバリエーションが豊富

こんなに無料で見せてええんっすか?というくらい豊富です。なので実際には行ったこともないのに、学校のことをよく知っている気分になります。生徒さんから「東京でオススメの日本語学校ない?」と言われた時、行ったことないけど自信満々で紹介してしまいました。

⑤オンラインの先生も勉強になるフレームワーク

動画なので当然オンラインで見せてくれます。普段生徒さんが受けている立場とちょっと似ています。どんな見せ方をしたら見やすいか、どんな進め方をしたらわかりやすいかが一目瞭然です。

〈その623〉レッスンに関する指摘

今日のレッスンは会話ではなく、ガッツリレッスンでした。

生徒さんからご指摘がありました。

①最初の喋りが長くなりすぎている

②レッスンの進行(順番)を変えてほしい

 

これはね・・・そのとおりです😂 

こういうご指摘をくださると、大変ありがたいです。この生徒さんは、ご自身も語学の先生なので、余計に気になっていたようです。ご自身の経験も交えて、こういうふうにしてほしいということを話してくれました。

言える(説明ができる)生徒さんは、割と長く続きます。「教えるのが下手」は一朝一夕には変わりませんが、順番や時間の調整なんかはすぐに直せます。

 

3連休明け、かなり忙しい日中でした。レッスンも終わり、やっと一日が終わります。眠いよ〜。

〈その622〉書かない、言わないという性質〜日本語

ある生徒さんがこんなご意見を言ってました。

「日本語の難しいところは、全部書かない、全部言わないところ。そんでもって日本人がそれに無自覚なところ。」

無自覚というのは、批判的に言っているのではなく、意識していない、気がついていないという意味です。

例えば。

日本語の自動詞や他動詞を勉強するときに、生徒さんは『他動詞はヲ格の目的語を持ちます。絶対目的語が要るんやで〜!』と習います。

ところが会話だと、この目的語は出てこないことがよくあるんです。

なぜか?状況的に目的語のものが認識できていたら、言わないからです。(きんぎょの論です。あくまで)

<例>

A:先生、花瓶が割れた〜。  ⇒   花瓶が割れた

B:おまえが割ったんだろが〜! ⇒ あなたが(花瓶を)割った。

 

このBの場合、文法的にはヲ格の目的語が必要ですが、言いません。目的語が何かお互いわかっているし、1番大事なのは、花瓶を割ったのは花瓶そのものではなく、おまえじゃ!という情報です。

 

上記の生徒さんが言う、「無自覚」というのは、この、文法のルール上は必要と言われているのに、それ以上にお互いの無意識の共通認識のほうが強いルールとして働くということを指しています。

 

ああ、お腹すいた。

夜にレッスンをすると、お腹がすきます。そろそろお風呂に入って寝ます。おやすみなさい!