めざせ日本語教師~オンライン日本語Tutorのよもやま日記~

普段は派遣の会社員、副業でオンライン(italki, プライベート)の日本語のセンセイをしています。NAFL修了しました。

〈その171〉日本語脳~外国語で考えて、話す (italki)

 「英語で考えて、英語で話す!」「英語脳!!」ということばを見たことが、、、ありますよね!英語を勉強していたら一度や二度は聞いたことがあると思います。

で。

日本語脳」ってあるんですか?

 

・・・英語脳があるなら、日本語脳もきっとあるんです、よね?だれか知りませんか?

 

 この質問の発端はとある生徒さんでした。ご自身が日本語学習用に視聴しているyoutube で、その講師の先生(日本人ではない)が「日本語で考えて、日本語で話そう!私はそうしています!」という話をしていたそうです。それを見た生徒さんが「きんぎょ、どうやったら全部日本語で考えて話せるの?日本語脳を作りたい!」・・・知らんがな !(  Д ) ゚ ゚英語脳は聞いたことあるけど、日本語脳。まあ、私の頭は日本語脳ですよね、日本語の母語話者だから。怒ったときも、嬉しいときも、疲れたときも頭の中は日本語で考えています。

 日本語脳があるのかどうかわかりませんが、外国語で聞いて外国語で考えるということは、学習によって可能なことだと思います。

 これは日本語だけではなく、他の外国語にも当てはまるとおもいますが、外国語で考えて、外国語で話せるようになるには、まず最低限の語彙力や文法力が必要だと思います。それ以外に何が必要だろう??? 私の経験を振り返ると、それは「その言語をしゃべってとにかくその状況を切り抜けねばならないような切迫した状況を切り抜ける経験(長いっ!!)」ではないかと思います。

 昔の話ですが、日本語があまり話せない友人の付き添いで、病院に行ったことがあります。私としては、受付の手伝いや、待ち時間のおしゃべりの相手くらいに思ってました。私の外国語能力は初級をクリア、中級には届かないな、というレベルでした。

 と・こ・ろ・が!実際に病院に行くと、先生と看護師さんがキラキラした激アツな眼差して私を見ている!!え!?私、通訳じゃないよ!ただのつ・き・そ・い!!でも先生たちの「きっとこの人がスラスラと全部訳して助けてくれるんだヮ❤」という期待に満ちた眼差しに負けて、何とか通訳をはじめました。ところが、その診療科は麻酔科。麻酔科って何するかご存知ですか?通常の診療科では対応できない痛みに対応してくれる診療科です。問診内容がね、すごいんですよ。ちくちく、ぴりぴり、とげとげした、ずきずき、どくんどくん。。。訳せるかあ!!といえるハズもなく、なんとかそれらしい訳をして、何とか診察を終了することができました。幸いなことに、あんな私の怪しい通訳でも、先生や看護師さんはやさしい笑顔でバッチリ診察してくれました。ただ治療が続き、他の診療科へも行く必要ができたので、それからしばらく「なんちゃって通訳さん」をするハメになりました。(診察が終わると「通訳さんがご一緒に来れる日はいつですか?」と聞かれるんです)診察日が近づくと、該当する診療科の、可能性がありそうな診察用語のあたりをつけて、半泣きで勉強しました。もう頭から煙がでそうでした。

 結果的に一年近く付き合いました。本当に大変でした。時間のやりくり、勉強、当日の通訳、患者本人とのやりとり、頭から煙がでる毎日でした。新しく買った辞書はとても高くて、痛い出費でした。患者である知人と喧嘩になったこともありました。でも振り返ると、この時の1年間が、私の外国語能力が一番伸びたときでした。夢の中も寝言もその外国語でしゃべっていました。

 という、私の経験を話してみたら、生徒さんに「え、そんな大変なのイヤ!」と一蹴されました(笑)。どなたか、日本語脳?なるものがあるのか、あれば、どうやったらできるのか、ご存じの方がいたらご享受ください!